オカルト団体との共通点

「楽をして儲けたい」
こういった考えを持つ人は少なくないだろう。
このような思考を持つ若者が多いからこそ、マルチ商法はいつまでたっても途絶える事がないのだろう。
一昔前なら「アメリカンドリーム」という言葉が流行った時期があったが、マルチ商法で一発当てるのは、まず無理だろう。

ところで、一昔前に流行った心理学セミナーは今はどうなっているのだろうか?
メ○。オスとか、シ○ジュシュウ○イカイ(漢字忘れたのでカナ表記)等、一時は凄まじい勢いで会員数を伸ばしていった。
いずれも宗教的な空気を感じていたが、共通点として集団で学生ローンから金を借りまくっていたという事実だ。
メ○。オスは比較的マジメな心理学セミナーだった。
学生ローンの返済もマジメにこなしていたし、受講者たちの風貌はいたってまじめそうな人たちばかりだった。
しかし、シ○ジュシュウ○イカイは違った。
はじめから返済の意思がなく、借りた金は教団(表現が正しいかどうかは微妙だが)にお布施として納め、督促にも一切応じようとしない悪質なものであった。
この団体、以前は高田馬場で頻繁に信者の勧誘をしていたのだが、最近はみかけなくなった。
時代とともに風化したのだろうか?

●オ○ム真理教の利用者
地下鉄サリン事件で世間を騒がせたオ○ム真理教だが、この教団がクローズアップされる以前から、学生ローンでは「怪しい団体」としてマークしていた。
と、いうのも、シ○ジュシュウ○イカイで散々懲りていたからである。
はじめのうちは正体が知られていなかったので、シ○ジュシュウ○イカイとの関連性を疑ったものだ。
しかし、時間が経つにつれて、全くの別の宗教団体であることが判明した。

オ○ム真理教には学生の信者が多く、学生ローンは恰好の資金源として利用されてしまった。
信者が借りにきた時に、見抜ければ当然融資はしないのだが、いかんせん見抜きようがない。
返済が滞り、借主の身辺調査をしていく段階で、ようやくオ○ム真理教の信者である事がわかるのである。
なぜわかるかというと、住所が教団施設であったり、家族などへの聞き込み調査で判明する事が多い。
教団に電話をかけても無駄である。
借主と連絡が取れる事はまずない。
今になってみれば、その後の教団の奇行を見れば、至極当然なのだが、当時は知るよしもなかったのである。
学生ローンから流れた金がオ○ム真理教に流れた事は遺憾の極みであり、その後の凶悪な事件を鑑みると胸が痛むばかりだ。

マルチ商法とは関係ない話題となってしまったが、人を騙し、洗脳する手法は、共通する部分がある。
どちらも儲かるのは首謀者だけだ。
末端の人間は利用されるだけで、儲かる事はない。
マルチ商法に関して言えば、一部強引な勧誘をする人間の中で儲かる者もいるかもしれないが、全体からすればほんの一握りにすぎない。
99.99%は損をするのだ。
目的はどうあれ、学生ローンで借りた金を「誰かに渡す」という行為は共通している。
自分自身のために使うのであれば良いが、それ以外の目的で金を誰かに渡す場合、その話は断る事だ。
断ると、おそらく相手の態度が豹変するので、怪しい話だという事に気づくだろう。